バレリアンとは?効果・副作用は?【うつ病に効くサプリメント】
バレリアンとはハーブであり、ストレスや寝つきの悪さ等に効果があって、快眠とリラックスが体感できます。
バレリアンは、ヨーロッパ原産のオミナエシ科のハーブであり、和名では西洋かのこ草と呼ばれています。
バレリアンは、古代ギリシャにおいて安らかな眠りをもたらす植物として用いられてきており、現在、ドイツ、フランス、ベルギーでは医療用ハーブとして認められているため、ヨーロッパ全体で年間に約1500万個のバレリアンが消費されています。
米国や日本においては、バレリアンは睡眠や不安感に効果があるサプリメントとして使用されており、日本ではバレリアンの抽出物をアロマオイルとして使用したり、ハーブティーとして飲まれるといった使い方をされているようです。
バレリアンには、テルペノイド類やアルカノイド類と呼ばれる成分群が含まれています
人間は眠気や不安を脳で感じるため、睡眠や不安感を改善するためには、脳内で改善作用のある成分が働く必要があります。
バレリアンには、テルペノイド類やアルカノイド類と呼ばれる成分群が含まれていますが、これらの成分は体内に取り込まれた後、脳の中に移行します。
そして、このテルペノイド類やアルカノイド類が脳の中に移行すると、ガンマアミノ酸(GABA)と呼ばれる物質の働きを介して効果を発揮すると考えられています。
このGABAという物質は、脳内で作用する物質であり、興奮を抑えたり、睡眠を誘導したりする働きを持っています。
しかし、バレリアンが睡眠や不安感を改善する作用の詳細については、実はまだ詳しくは判明していないため、現在でもバレリアンの作用機序を明らかにするための基礎的研究が進められています。
バレリアンの実際の不眠症に対する効果については、バレリアンを用いた臨床試験が不眠症の患者に対して行われているため、それで確認することができます。
例えば、日本においては、34人の睡眠障害患者に対してバレリアンの効果を確認する試験が、バレリアンに偽薬を用いる試験方法によって行われました。
その臨床試験の結果では、バレリアンを飲んだ患者のほうが、偽薬を飲んだ患者と比較して、総合的な睡眠の質の向上が確認されたのですが、睡眠持続時間、眠気、寝付き、気がかり等においては、その差が確認できませんでした。
また、その他の海外で行われた臨床試験においても、不眠症に対する効果は出たり、出なかったりする結果が混在している状況であることから、現時点においてはバレリアンは全ての不眠症に効果があるとはいえないようです。
ただ、一部の不眠症については改善効果があるとはいえると思います。
神経症や不安症に対するバレリアンの効果は??
次に、神経症や不安症に対するバレリアンの効果については、いずれにおいても海外において少数ながら臨床試験が行われているので、それで確認することができます。
その結果をみてみると、神経症や不安症の患者に対して、バレリアンを飲むことによってその症状の改善が確認できた臨床試験と、改善効果が確認できなかった臨床試験の両方が報告されています。
そのため、現時点では神経症や不安症に対する改善効果がバレリアンにあるとは実証できていませんが、不眠症と同じく、一部の神経症や不安症に対する改善効果はあると考えてよいのではと思います。
バレリアンは1日に900mgを超えるような過剰摂取をせず、長期間の服用もしなければ、ほとんど副作用はないのですが、稀に眠気の持越し、めまい、頭痛等の症状が発生するということもあるようです。
ただし、バレリアンを服用してから2~3時間は集中力の低下、眠気等の症状が出る可能性があるため、服用後に車の運転や機械を操作するような作業は行わないようにしましょう。