うつ病 体験記

非定型うつ病とは、うつ病性障害のサブタイプの一つの正式な診断名です。

メランコリー型うつ病や、気分変調性障害の典型的な症状も併せ持つものの、これらとは異なる特徴を有する気分障害となっています。
一般的なうつ病の特徴的な症状には、「いつも落ち込んでいて、好きなことでも楽しめない」、「朝、調子が悪く、夕方~夜にかけて回復する」、「不眠」、「食欲が落ちる」などがあります。

しかし、これらに当てはまらない症状を示すうつ病が、若い世代に目立つようになり、これらは「典型的なうつ病とは異なる」という意味から、「非定型うつ病」と呼ばれています。

非定型うつ病の発症年齢平均は16.8歳とたいへん低くなっています。

海外の調査によれば、一般的なうつ病が発症する平均年齢が32.3歳であるのに対し、非定型うつ病の発症年齢平均は16.8歳とたいへん低くなっています。
さらに、非定型うつ病は、とくに女性に多い(男性の2~3倍)という結果も出ています。

この非定型うつ病の他に、「逃避型抑うつ」、「未熟型うつ病」、「ディスチミア親和型うつ病」と呼ばれるものなども近頃、とくに若い世代を中心に受診者が増えており、これらは提唱者によって少しずつ特徴の捉え方は異なりますが、総称して「現代型うつ病」などと呼ばれています。

非定型うつ症状をかかえる患者の多くは、うつ症状が出初めたのは若い時から(たとえば高校生の時から)となっています。

しかもその症状は比較的慢性的であって、小康状態になることも少ないと訴えている患者が多くなっています。
そのうつ症状は、年齢が若い患者ほどより非定型であり、年齢が高い患者ほどメランコリー型である率が高くなっているようです。

非定型うつ病はしばしば不安障害を併発し、自殺企図の確率も高くなっており、また、精神病理学的および生理学的にみて、際立った性質も持っています。

非定型うつ病はまた、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、季節性情動障害の患者に多く見られ、双極性障害のうつ状態は非定型であることが多くなっており、これは、季節性のうつ病も同様となっています。

非定型うつ病の症状としては、まず、良いことや楽しいことがあると気分が明るくなるということがあります。

一般的なうつ病の症状では、どんな出来事があっても元気がありません。
しかし、非定型うつ病では、良いことが起きると一時的でも元気が出る傾向があり、出来事に反応して気分が変わるので「気分の反応性がある」と表現されています。

次に、過剰に眠るという症状があります。
一般的なうつ病では「早朝に目が覚めてしまう」、「寝つきが悪い」、「夜中に何度も目が覚める」などの不眠の症状があります。

しかし、それに対し、非定型うつ病ではどんなに寝ても眠たくなり、昼間も寝てしまう傾向があり、1日に10時間以上眠る日が一週間に3日以上ある場合、過眠とみなされるようになります。

次に、夕方にかけて調子が悪くなるという症状があります。

一般的なうつ病では、朝方に抑うつが強く、午後になると少しずつ元気になります。
しかし、非定型うつ病では、夕方から夜にかけて不安やイライラが出てきて、具合が悪くなるという傾向があります。

また、非定型うつ病の症状として、過食の傾向があります。
一般的なうつ病は食欲がなくなり体重が落ちるのが普通です。

それに対し、非定型うつ病では「食べたいという強い衝動がある(実際に食べる量とは無関係に)」、「気分を紛らわすためにむちゃ食いをする」、「体重が増える」などの傾向があらわれるようになります。

また、身体が鉛のように重くなるという症状があらわれることもあります。
身体が鉛の重りをつけたように重く感じることがあり、この感覚が1日に1時間以上、週3日以上あるという場合は注意が必要となります。

さらに、対人関係に過敏になるという症状があらわれることもあります。

人から拒絶されたり批判されると、過剰に落ち込んでしまったり、怒ったりしてしまうという傾向があらわれることがあります。
また、拒絶や批判を恐れるあまり、親密な対人関係を持てなくなってしまったり、日常生活に支障が出たりしてしまうという場合もあります。

非定型うつ病は、前述の通り、出現する症状が一様ではなく、気分の変動の仕方、食欲、睡眠が、通常のうつ病とはかなり異なります。
そのため、うつ病であることに気付きにくいため、精神科(神経科)の受診が遅くなってしまい、回復するまでに時間がかかってしまうという傾向があります。

非定型うつ病は、症状が典型的ではないとはいうものの、全体のうつ病の中では、決して少数派ではありません。
その患者数は、うつ病全体の3割程度を占めるとも言われていますので、実は、非定型うつ病も、典型的なうつ病の一つと言えるのかもしれません。

まずは、前述の非定型うつ病の症状をよく理解するようにし、自分が非定型うつ病の可能性が高そうだと感じたら、早めに精神科・心療内科を受診するようにしましょう。

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