姑の双極性障害克服体&治療験記。【体験記】
私は30代の主婦で、夫、中学生の子供2人、そして主人の母と同居しています。
同居は10年目ですが、お互いのテリトリーや分担を決めて比較的友好に姑とはやってきました。
ところが1年前から姑の様子がおかしくなり始めました。具体的には、気分の浮き沈みが激しく、些細なことで酷くなじられたり、かと思うとふさぎこんで部屋から食事の時も出てこないなどです。
だいたい1週間~2週間の周期で活動的になったり、引きこもったり愚痴っぽくなったりしました。
最初は私もその時で変わる姑の対応に振り回されてしましました。
例えば朝に、夜ご飯は魚が食べたいと言っていたので焼き魚を用意しても、夜には自分は肉が食べたいと言ったのにと言い張り、それに反論するとスイッチが入ったようにまくし立てられて収集がつかなくなるような感じです。
自分が朝言った事を忘れてしまい、頑ななまでに言い負かそうとする顔は狂気じみていて、かつての穏やかさがなく本当にまいりました。
激しく憤った後は反動のように落ち込み、話しかけても目はうつろ、食事もいらないと言われてハラハラしました。
最初は認知症が出始めたのかと思いました。
とりあえず一度心療内科に受診させようと主人とも話し合い、近所の総合病院の心療内科に連れて行きました。
そこでお医者様に看ていただくと、双極性障害Ⅱ型と診断されました。
記憶が違ってしまうのはボケではなく、構って欲しい気持ちからきているものらしいとのことでした。
なんで姑が急にこうなってしまったのか悩みましたが、お医者様の話では何か家庭生活で環境の変化はありませんでしたかということで、思いあたるのは子供たち(姑にとっては孫)も中学生になり、部活や勉強で忙しく、小学生の頃のように姑に甘えなくなったこと、私がパートにでかけるようになり、あまり話し相手にならなくなったことなどが思い当たりました。
姑は交遊関係も薄い人であまり友達もおらず、毎日一人で家にいるような生活でした。
家族が自立したりすることで疎外感を深めて行ったのではないかと言われました。
双極性障害は心のストレスが引き金になることがあるとのことですが、そうした家族関係の変化や刺激のない日常が徐々に姑の心にストレスを与えていったのだと思いました。
心療内科では保険はききませんが気長にカウンセリングに通うことを勧められました。
同時に最初は症状を早急に緩和させるために、ジプレキサとラミクタールという薬を処方していただきました。
このお薬は過敏になってしまった心を落ち着かせるような作用があるとの説明でした。
姑に飲んでもらったら、最初1週間とても眠いといって朝起きれないことが続きました。
15時間以上寝続けることもあり、心配になって先生に話すと少し量を減らされました。
薬が体になじんでくると、少し姑の様子も落ち着いてきたように思えました。
でも、何かが引き金になるとやはり激高したり過剰に鬱いだりという波は残り、月に2回程度カウンセリングも併用して治療にあたりました。
家族も話し合って、意識して子供たちが話しかけたり、私も外に連れ出して気分転換になるよう色々と試行錯誤しました。
1年たちますが、今はほとんど波もなく、投薬ももう必要ないと言われています。
姑には老人クラブの集まりなどにも参加してもらうようにして、とにかく外で第3者と接点を持ってもらうようにもしています。
双極性障害は本人も原因がよく分からないままイライラしたり、また誰にも会いたくない、消えてしまいたいと思うほど落ち込んだりかなり苦しいそうです。
もっと前兆に皆で注意してあげられればよかったなと思います。
今は姑が元気になってくれて、家族にも明るさが戻り本当によかったと思います。