- Home
- 婚前うつ病(マリッジブルー)
- 婚前うつ病(マリッジブルー)とは?症状や診断は?【うつ病の種類】
婚前うつ病(マリッジブルー)とは?症状や診断は?【うつ病の種類】
マリッジブルーは女性だけが陥るものではありません。
婚前うつ病(マリッジブルー)とは、結婚を控えた人が間近に迫った結婚生活に突然不安や憂鬱を覚えるようになる、精神的な症状の総称です。
結婚そのものが原因というわけではないのですが、結婚することで起きる様々な変化に対する不安や恐怖がマリッジブルーを引き起こしてしまいます。
マリッジブルーは結婚する女性の多くが経験している症状であり、女性特有のものであるという認識が世間に強くありますが、マリッジブルーは女性だけが陥るものではありません。
実は男性にもその可能性があり、女性に比べると結婚による変化が少ない男性ですが、家族を養うという責任やプロポーズするという重圧からマリッジブルーに陥ってしまうことがあります。
また、結婚に対するさまざまな情報もマリッジブルーを引き起こす要因になり得ます。
そのため、結婚に対する期待が大きかったり、より積極的に結婚に向けて動く人のほうがマリッジブルーに陥りやすくなっています。
マリッジブルーの症状で最も多いものが、結婚に際しての不安感であり、この不安感は、結婚に関するあらゆるものに対して感じるようになります。
たとえば、結婚する彼・彼女に本当に愛されているのかどうか、この人と結婚して本当にうまくいくのか、彼・彼女の両親とうまくやっていけるのかなどという不安感があります。
こういった不安は結婚する人なら少なからず誰でも感じるものです。
しかし、マリッジブルーの場合はより感じやすくなり、その程度も大きくなります。
さらに、結婚式の準備に際して、結婚する彼・彼女があまり手伝ってくれなかったり、積極的に動いてくれなかったりすると不満を覚えますが、この不満もマリッジブルーに陥っていると感じやすくなりますので、結果的に結婚式の延期や破談になる可能性もあることから、より注意が必要です。
マリッジブルーの症状では、結婚に対する忌避感も多くみられ、結婚が決まるまでは結婚に対して積極的に動いていた人においても、いざその日が決まると結婚を白紙に戻したくなったり、結婚することをなんとなく公にしたくなくなったりといった感情が芽生えるようになります。
その結果、本当に結婚をやめてしまうといったことも少なくなく、また、ここまで直接的な結婚に対する忌避感ではなくても、これまで以上に仕事に打ち込んでしまうなど、結果的に結婚についてあまり考えないでいいという状況を自ら作ってしまうということも考えられます。
さらに、結婚そのものではなく、結婚する彼や彼女に対して忌避感を覚えるということもあり、突然会いたくないと感じたり、彼・彼女とは違うタイプの異性に惹かれるようになったりといった症状があらわれることもあります。
結婚相手と喧嘩をしたり、嫌いになったりといったわけではなく、ただ漠然と避けてしまうようになってしまいます。
ところで、マリッジブルーとは正式な医学用語ではありません。
そのため、世間一般に、結婚前に陥るブルーな状態を指す言葉という共通認識はあり、言葉としても、世の中に浸透しているものですが、こういう状態があったらマリッジブルーだ、といったような明確な定義は存在しないのです。
しかし、マリッジブルーという言葉を外して、マリッジブルーで見られる症状を精神医学の診断基準に照らし合わせて考えてみると、その症状は「抑うつ状態(うつ状態)」ではあるようです。
ただ、マリッジブルーと言われる人の症状、程度はさまざまです。
そのため、マリッジブルーと言われている人、マリッジブルーかしらと思っている人の全てが、うつ状態であると断定出来るものではありませんので、マリッジブルーが重めの方は、うつ状態にある可能性も否定できないという程度であると思われます。
というのも、マリッジブルーとは、この症状が起こった原因が「結婚」にあることが明らかです。
したがって、多くの方は、そのような状態はそう長くは続かず、結婚後は新たな生活に馴染んでいき、前向きに生きていかれることになるからです。そのため、うつの専門家も
「マリッジブルーを敢えて言えば「抑うつ状態」の症状を呈しているとみることは出来るけれども、それがうつ病に至る前段階としてのうつ状態とまで考えて心配をする必要はない」と語っています。
しかし、このようにマリッジブルーで見られるうつ状態が、絶対にうつ病に発展しないとは言い切れませんので、あまりにもうつ状態が長引く場合や、その程度が生活に大きな支障をきたす場合などにおいては、念のために、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
兆候がみられた場合には夫婦できちんと話し合い、きちんとその症状と向き合うことが大切です。
マリッジブルーは前述の通り、自然に落ち着くこともありますが、長く続いた挙句、うつ病に発展してしまうこともありますので、兆候がみられた場合には夫婦できちんと話し合い、きちんとその症状と向き合うことが大切です。
特に男性はマリッジブルーを経験することが少ないため、どこか他人事のように感じていることもあります。
しかし、症状を悪化させないためにも、マリッジブルーを理解する努力が必要となります。
もし結婚式を終えても症状が改善しなかったり、どうしても自分たちでは対処が難しいという場合においては、カウンセリングや医療機関を受診することも視野にいれるようにしましょう。