小川宏さんの場合。【うつ病の芸能人・有名人】
うつ病を発症しますが、自ら克服した小川宏さん
小川宏さんは、元NHKアナウンサーで、東京都墨田区出身の日本のフリーアナウンサー・司会者です。
小川宏さんは、NHKの看板アナウンサーとして活躍後、フリーアナウンサーとなり冠番組「小川宏ショー」で人気を博しましたが、「小川宏ショー」終了後の平成3年に、うつ病を発症しました。
小川宏さんの経歴・芸歴は?
小川宏さんは、現在の東京都墨田区東向島である、東京府南葛飾郡寺島村の生まれであり、東京都立第七中学校(現:東京都立墨田川高等学校)を経て、早稲田大学専門部工科建築科を卒業しました。
その後、一旦間組(現在のハザマ)に入社するも半年で退職し、NHKには二次募集で入局しました。
同期には八木治郎さん、大塚利兵衛さん、福島幸雄さん、穂坂俊明さんがいて、鶴岡放送局、郡山放送局(現在はいずれも支局)に勤務した後、1952年より東京勤務となります。
1955年より「ジェスチャー」の4代目司会者として10年にわたって活躍した後、同番組における圧倒的な知名度を背景に1965年1月に退職しました。NHKを退職した後、フジテレビと専属契約を結び、1965年5月より同局朝のワイドショー「小川宏ショー」の司会を通算17年務めました。
同番組では、4451回という金字塔を打ち立て、「人名を冠した番組の最長寿記録」としてギネスブックから認定・掲載されました(後に「森田一義アワー 笑っていいとも!」(タモリさん<森田一義さん>司会)がこの記録を塗り替えています)。
同番組における小川宏さんの穏やかな雰囲気や話術は主婦層にも長く支持されたため、この点から「春の小川」なる異名を取るようになり、また、同番組には朝の生放送番組であるにも関わらず、杉村春子さん、高峰三枝子さん、石原裕次郎さん、長嶋茂雄さん、前田武彦さん、永六輔さん、黒柳徹子さんなどの大物ゲストが多数出演していました。
これも小川宏さんの司会ぶりに対する信頼の高さを裏付けるものとなりました。
この「小川宏ショー」終了後、うつ病を発症しますが、自ら克服します。
そして、その体験談を出版し、後にその経験を元に講演活動を行うなどして、活躍しています。二女の夫は作曲家の中山大三郎さんであり、2005年に中山さんが死去した後は、中山さんが遺した作品は現在全て小川宏さんや二女や孫、中山さんの弟たちが権利を保管しています。
小川宏さんは、読売新聞などのテレビ欄の投稿コーナーに「アナウンサー」として投稿することがあり、また、読売の一般投稿気流欄には一国民として投稿しているそうです。
なお、幼馴染の3代目三遊亭圓歌さんによると、小川宏さんは元々吃音者であり、圓歌さんが真似をしているうちに同じく吃音者になってしまったそうで、それが圓歌さんを落語家にするきっかけとなったということです。
そして、とある機会にアナウンサーと落語家として再会した時にはお互いに驚いた、と圓歌さんは「中沢家の人々」の中で話している。NHK時代に、小川宏さんは先輩アナウンサーからは「小川ちゃん」と呼ばれかわいがられ、高橋圭三さんからは、「顕微鏡で調べて望遠鏡で放送しろ」とアドバイスされたということです。
そして、2016年11月29日、小川宏さんは多臓器不全により90歳で没しています。
小川宏さんは、前述の通り、「小川宏ショー」終了後にうつを発症しています。
その原因としては、長年続いた番組が終わったことで脱力感が出てしまい、仕事に力が入らなくなったとか、番組の終了と同時に身内の金銭トラブルに巻き込まれたということがいわれています。
ただ、いくらくらい借金をしていたのかということについては明かされていません。
小川宏さんは、うつ病の症状がひどい時には遺書を書いて電車に飛び込もうとしたこともあったそうです。
その時は、友人の言葉によって、なんとか無事に思いとどまることができたのだということです。
また、家族の理解が回復につながったそうで、「何もやる気がせず、ボーッとしていても、女房は頑張れとは言わず、見て見ぬふりをしてくれた。そんな配慮がうれしかった」と、後に小川宏さんは語っています。
また、抗うつ剤を飲んでも気の動揺が抑えられなかった時には、奥さんは「心配になるような声をかけない」という方法を取っていたんだそうです。
このような家族の支えが、うつの療養にかなり大きな影響を与えていたのだと、小川宏さんは語っています。
その後、小川宏さんは、うつ病発症後から約10年で抗うつ剤が必要となくなりました。
うつ病は多くの場合、完治し、「早期の薬物治療と、何事もほどほどにという気持ちを持つことが大切です」と小川宏さんは語っています。
小川宏さんは、うつ病を患いながらも、90歳まで長く生きることができました。
これは本当に凄いことだと思います。心よりご冥福をお祈りします。