過労でうつ病発症。長期の休職を経て・・・【体験ブログ】
印刷会社の営業の多忙な職場で、過労によってうつ病を発症しました。
毎月の残業時間はカウントしているだけでも100時間以上、自分ひとりで重責を背負っていて休日でも携帯に問い合わせが殺到する状態で、それが原因で心を病んでしまったのは明らかでした。
職場から帰宅しても寝付けず、眠ってもずっと仕事をしている夢を見て、しかも取り返しの付かない大失敗をする夢で汗びっしょりになって飛び起きてそのまま出勤していました。
笑顔は無くなり、集中力も無くなりミスが多くなり、家族から「もう3ヶ月以上笑顔を見ていない。」と言われて心療内科を受診しました。
典型的なうつ病(定型うつ病)と診断された時は正直ほっとしました。
この異常な重苦しい気持ちは永遠に続くのではなく今たまたま病気でそうなっているだけだという安心と、これで休めるというのと両方です。
勇気を出して会社にうつ病と診断されたことを告げると、同僚や上司も「やっぱりな。」という反応で「心置きなく休めよ。」と長期の休職にスムーズに入りました。
心療内科で処方された、睡眠導入剤アモバンを使って夜ぐっすり眠れるようになり、アモキサンやルボックスといった抗うつ薬をローテーションすることで、気分は上向いたりゆり戻しでまた同じように落ち込んだりしました。
それでも、過労というストレスから開放されたことで体調は1ヶ月後くらいから上向いてきました。
心療内科で勧められたとおり、いままで出来なかったリフレッシュのための外出をしたり、学生時代の友達と会ったりしました。
気が付くと自然に笑えるようになって、人間らしさを取り戻しつつある自分に本当に安心しました。
でも、そこで新しい問題が生まれました。
「がんばれ」を言わないことは会社の人たちや家族、友人が意識してくれて、元気に振舞う私を見て
「心配したけど、思ったより元気そうだね。」
「だんだん元気になってきた。」
「とても病気には見えないよ。」
という励ましの声を掛けてくれます。
自分は仮病なんじゃないかと自分で自分を責める??
そうすると、病気が良くなった今ではそれらの言葉がありがたいのですが、うつ病の症状を抗うつ薬で抑えているだけの状態の当時の自分はその言葉をまっすぐには受け止められず、脳内で勝手に「なんだ、大したことないじゃないか。」「もう治ったんなら遊んでないで仕事しろよ。」「もともと仮病だったんだろ。」というふうに変換されて、責められているような気分になってしまいました。
なまじうつ病について調べたりメディアから入ってくる「非定型うつ病や新型うつ病は、遊びの時はいたって普通で仕事の時だけ症状が出る。」などの情報を聞いてしまったのも災いしました。
落ち込みから立ち直る、自分は仮病なんじゃないかと自分で自分を責める、自分は周囲から落ち込んだ状態を期待されている、だからうつ病らしく布団で一日中寝込む、というサイクルを何度も繰り返しました。
結局は、半年以上休んだので今更元の職場に復帰できないということが吹っ切れるきっかけになり、元の職場を退職した上で転職した後はあっという間にもう薬を飲まなくていいくらいに回復しました。
回復して思うのは、周囲の優しいことばや気遣いですら、曲がった形で受け止めてマイナスに作用させてしまううつ病という病気の恐ろしさです。”