アダルトチルドレン同士の共依存、双極性障害の再発【体験談】



躁鬱病 ブログ

アダルトチルドレン&虐待の中育った彼は双極性障害。

不完全家庭で育ち大人になった人をアダルトチルドレンと言います。
不完全家庭とは、暴力や虐待、アルコール依存症の親がいたり、過干渉過保護など様々な理由から、幼少期親子の信頼関係を結べず、問題を抱えたままの家庭のことです。

戦後の厳しい環境の中、父親の絶対的な存在による完全な支配、そしてアルコール依存による暴力のもと育った彼は、独身時代様子がおかしくなり兄弟によって精神科へ連れていかれました。

その後一旦症状は回復し、大手企業に就職。

研修の合宿先で出会いグループ交際をしていた内の一人の女性とお付き合いを始めます。

そして後結婚。

エリートだった女性を射止めた彼は誰からも羨まれ、二人は順調に結婚生活を送り、第一子を授かり幸せの絶頂の中、彼の転勤が決まり単身赴任が始まろうとしていました。
しかしその準備期間中、彼の様子はまたおかしくなります。

まず、常に苛立ち表情は険しく、周囲の誰しもを敵だと言います。

そして自分は敵視されていて社会的に排除されようとしている、転勤になったのも誰かに左遷されたのだ、といったように被害者として振るまいます。

また持ち物を紛失した時も、誰かに盗まれた、いつも自分だけがこんな目に合わされていると言いいます。

こうして少しずつ自分の殻に閉じこもるようになり、そのうっぷんを晴らすかのように、散財。
安定していた暮らしも一気に貧困生活へと向かい、病状が悪化する一方で仕事にも行けなくなりました。

停職中彼を支える妻は、実家の財産相当分のお金を失ったと言います。

そして誰にも頼れなかった苦しみ、社会的な偏見の辛さを未だに口にします。

彼の発病は、アダルトチルドレンとしての問題が引き起こしたことは間違いないのですが、再発に至った経緯は他にあります。

それはまさにエリートの彼女との結婚でした。

彼女は実際、精神病は抱えておらず健全者として生活しています。

しかし、実は彼女は共依存を引き起こすコントロール型の支配者だったのです。
共依存とは、アダルトチルドレンとして成立する、問題を与える側と与えられる側の関係や、または問題を与えられた側同士の引き合い、つまりその関係に依存してしまう繋がりをいいます。

この場合、彼は絶対的な支配者で暴力的な父親からの影響でアダルトチルドレンになり発病しています。
そしてコントロールされる側として自己を持たず、常に支配され従っています。

まさに彼女がその父親と同じように、支配する側の気質を持つコントロール型だったのです。

彼女は事あるごとに彼を責めます。
こうなったのは貴方のせい、間違っているのは貴方で私は悪くない、変わらなくてはいけないのは貴方のほう。
いつも貴方のせいで私は傷ついている。そう言って罵り、責め、あたかも彼が加害者であり自分は絶対的な被害者だと言いくるめます。

そして同じ空間で、彼女は気にいらないことがあるとヒステリックに振る舞い、無視をし、自分がいかに傷つけられたかを彼に訴えます。
そうした時間が長く流れ、彼は幼少期から抱えた問題をまた突き付けられ、混乱し、従って円滑にしようと努力します。

そして彼女の機嫌は直り、またヒステリックに振る舞いを繰り返し、依存関係が成り立つのです。
そうして彼は再発しました。

彼女は家庭内と外とでは振る舞いが違います。
そして上品で気品ありエリートとして生き認められた人間関係があり、誰しも彼女が再発の原因であり、まさか共依存の関係に陥っているとは気付いていません。

実際、カウンセリングも彼一人で行い、家族療法すなわち身近な家族も一緒にカウンセリングを受け、一体化し治療にあたるということを行っておりません。
彼女自身も、自分は普通であり問題なく一般の人間で良心的であると信じ切っています。

知らずにコントロールしているとも思っていませんし、信じもしないでしょう。

彼は一人でカウンセリングを何十年と受け、様々な配合の粉薬タイプの薬を飲んでいます。

薬は強力で、時に朦朧とし、身体は石のように重く常に疲れきっていて、睡眠障害もあり、短時間でもうとうととうたた寝をしてしまうほどです。
それでも家族のためと薬を飲み続け大手企業でひたすらに働き、近年退職しました。その間様々な周囲の偏見と、嫌がらせを受け、デパートも電車もないような田舎への左遷も幾度とありました。

それでも耐えてきたのです。

しかし、彼の病状はムラがあり、先に挙げたような症状が続いたり落ち込んだりを繰り返します。

双極性の特徴として、その波の幅は様々です。
気が大きくなり散財し、誰彼構わず親しげに振る舞い、夜中であろうが大して親しくない人にも突然電話をかけたり押しかけたりします。

何でも出来るような錯覚にも陥り、あたかも芸術家のように振る舞ったり、色々な立場の人になりすますことも出来ます。

次々と新しいアイデアや、やりたいことが押し寄せ、寝る時間も惜しんで活動的になり活発に外出したりします。

かと思えば、苛立ちを抱え、他人は全て敵視し、自分が被害者でそこら中加害者だらけだと攻撃的になったり自暴自棄になったりもします。

この波を見極めるのも難しく、一緒に生活している家族は振り回され、またあちこちで彼の行動の結果の尻拭いをしなければならず、いつもへとへとです。
どの彼が本当の彼なのか信じるのも難しくなります。

本来なら、彼を救うべく、家族療法に踏み切るか、または入院し一定期間の休養を取り様子を見ることによって、コントロール型の妻との共依存が再発の原因であると、あっさりと気付けたのかもしれません。

しかし、真面目な性格でコントロールされる側の彼は、ただ一心不乱に働き続け、会社に支配され、家庭で妻に支配され、休むことなく蝕まれてしましました。

その共依存の関係である彼と彼女の家庭は、やはり不完全家庭となり負のサイクルを生み出します。

つまりアダルトチルドレンである彼が双極性鬱病であり、またそれをコントロールしてしまう共依存の関係の彼女は、子供にもそのコントロールを行い、子供も結局アダルトチルドレンになってしまうという連鎖を生み出すのです。

子供もまたアダルトチルドレンとして現在苦しんでいます。
双極性鬱病自体も問題ですが、その根本となる原因を改善しなければ、鬱病はおろか家庭としても再生はできないのです。

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