鍼灸でうつ回復?効果・効能は?【うつ病予防&治療法】
鍼灸や漢方薬等の様々な治療を併用することでうつ回復?
うつ病には様々なデータがあり、例えば、人間は生涯のうちに約10~20%の人が一度はうつ病にかかるそうです。
うつ病の治療期間は長期間となり、その症状が重くなると、仕事や学業等の社会生活に与える影響も大きくなります。
ただ、精神医療は日進月歩であるため、以前は完治しにくかった1部のうつ病においても治療成績がかなり良くなってきており、今ではうつ病患者の約80%は、1年以内にほぼ発病前の状態に戻ることができるとのことです。
また、うつ病患者のうちおよそ半数の患者が陥るといわれていた「再発」(再燃)についても、鍼灸や漢方薬等の様々な治療を併用することで、かなり防げるようになってきました。
鍼灸治療によって身体が軽やかになっていけば、食欲が増進したり、睡眠が良くとれるようになったりする
鍼灸治療におけるうつ病の適応症は、うつ病により発生するめまい、不眠、発汗、頭痛等の不定愁訴となっており、中国医学の考え方では、人間の身体のバランスを整えることによって、気分が落ち着き心が晴れやかになるとされています。
体が軽くなれば心も段々と晴れやかになっていくので、鍼灸治療によって身体が軽やかになっていけば、食欲が増進したり、睡眠が良くとれるようになったりするので、心の負担が軽くなっていきます。
うつ病の症状としては、臨床的に様々な症状が現れるとされており、これらの症状に対して鍼灸治療は効果があるとされています。
しかし、鍼灸治療はうつ病に対して100%効果があるわけではないため、特にうつ病の症状が重い患者においては、病院の専門医の投薬等は続けながら、鍼灸治療を行うというケースが多くなっているようです。
長期間にわたり抗うつ薬を服用し続けているうつ病患者も、鍼灸治療を併用して行うことによって、うつ病の症状の改善に相乗効果が期待できるようです。
うつ病の鍼灸治療のメインの考え方は、脳への血流を快復させるということ
そのためにはまず、心臓から脳への通り道となる頚部の筋肉を緩め、頭に血が流れやすい状態を作ることになります。
そして、頭鍼を行い脳自身の血流を良くするのですが、頭鍼とは文字通り、頭に鍼をすることです。
脳は頭蓋骨に守られているため、頭に鍼をしても脳内の血流に影響が無いように思えますが、頭蓋骨には細かな穴がたくさんあって、頭皮と頭蓋骨内部がその穴を通して毛細血管でつながっているため、頭に鍼をすることで頭皮の毛細血管も、それにつながっている脳内の毛細血管も共に拡張しm血流が良くなります。
さらに、うつ病の鍼灸治療の柱となるのが、筋緊張をほぐしコリや痛み、運動器疾患の症状をとるということであり、これは具体的には頭痛、肩こり、腰痛等の改善となります。
当然ですが、これらの症状が発生しているとストレスがたまってしまいます。
「病は気から」という言葉もあり、心が先か身体が先かはわからなくても、互いにリンクして悪循環となって、その症状が重くなっていってしまいますので、これを断ち切るようにします。
また、うつ病は自律神経症状も現れ、その症状は内臓だけではなくリンパ腺や血管にも現れますので、休息と活動の切り替えがうまくいかなくなってしまいます。
これらの自律神経も首から背中、腰を通っていますので、前述のコリや痛みの症状という意味でも、自律神経症状という意味においてもこれらの部位において鍼灸治療を行うようになります。
うつ病の治療において、鍼灸治療を行うという方は一度、病院で治療を受けて改善されなくて、鍼灸院を訪れるという方も多いようです。
しかし、前述の通り、鍼灸治療はうつ病に対して100%効果があるという訳ではないため、病院で診断を受けた方は、その治療も続けながら鍼灸治療も併用して行ってみるのが良いのではと思います。