チロシンとは?効果・副作用は?【うつ病に効くサプリメント】
チロシンとは、フェニルアラニンという必須アミノ酸から作られるアミノ酸の一種です。
チロシンは必須アミノ酸ではないのですが、神経や脳が正常に働くために必要不可欠なアミノ酸です。
チロシンは精神機能、感情、性的衝動を脳内で司る重要な神経伝達物質であるノルアドレナリン、ドーパミンの前駆体であり、脳機能を活性化させる働きを持っています。
身近な例をあげると、若いタケノコの切り口に見られる白いアク、納豆、みそ、チーズ等の表面に白く析出してくる結晶がチロシンであり、水に溶けにくいという特徴もあります。
チロシンの効果としては、まず、前述の通り、ドーパミンの前駆体であるため、ドーパミンが脳に興奮状態をもたらし、モチベーションを高める作用があるため、やる気や行動力を高める効果が期待できます。
また、同じくチロシンはノルアドレナリンの前駆体でもあるため、脳内に緊張をもたらし、集中力や判断力を増強させる効果も期待できます。
次に、チロシンにはストレス耐性を高める効果も期待できます。
これは、研究によって既にチロシンを摂取するかどうかによってストレス耐性に違いが出ることがわかっており、この結果によると、チロシンを摂取した人のほうが抗ストレス効果が現れたとのことです。
人間は強いストレスを受けた時、ノルアドレナリンやアドレナリンを分泌させてストレスに対抗しますが、このノルアドレナリンやアドレナリンの原料はチロシンであるため、強いストレスを受け続けるとチロシンを大量に消費してしまいます。
これによって体内のチロシンが不足してしまうと、ストレスに対抗することができなくなるため、無気力感や強い疲労感を感じるようになり、ついにはうつ病に発展してしまうことになります。
したがって、常に体内に適量のチロシンを存在させることがストレスと戦うための耐性を高めるために重要となります。
チロシンのその他の効果としては、慢性疲労症候群の改善があります。
慢性疲労症候群(CFS)とは、特定の精神的な原因、筋肉や神経の障害等の身体的な原因があるわけでもないのに、長期間にわたって著しい疲労や倦怠感が現れる症候群です。
慢性疲労症候群はここ10年ほどで急激に増加しており、現在でも増え続けていますが、チロシンは神経伝達物質を回復する作用を持っているため、この慢性疲労症候群を軽減するということが近年の数々の研究によって明らかとなっています。
また、チロシンには成長ホルモンの生成を促進する可能性があるともいわれています。
成長ホルモンは睡眠中に分泌され、脂肪を燃焼させて、それをエネルギーと筋肉に変え、さらに傷の治りを早め、病気の抵抗力を高めるという働きを持っています。
チロシンはこの成長ホルモンの生成を促すと考えられているのですが、科学的にはまだ実証されていません。
ちなみにチロシンの他のアミノ酸の中で、アルギニン、トリプトファン、グリシン、オルチニンが成長ホルモン増加物質です。
これらの物質は互いに働きあって相互作用するため、一緒に摂取すると効率よく効果を発揮するようになります。
チロシンに副作用はほぼ無いようですが、過剰摂取には気を付けるようにしましょう。
特に成長途中で脳が発達中である子供は、チロシンを過剰に摂取すると栄養のバランスがくずれて脳の発達に悪影響を与える可能性があります。
また、濃縮されたアミノ酸は腎臓に負担をかける恐れがありますので、持病に腎臓病を抱えている方や肝臓がもともと悪い方は注意するようにしましょう。