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「定型」、「非定型」で違いあるの?

新型うつは、これまでのうつの症状とは違い、常にうつ状態ではないということが1つの特徴となっています。
うつ病とは精神障害の一種で抑うつ気分、意欲や興味の低下といった症状を特徴とする精神疾患です。

うつ病は、現代病としても知られており、そもそも、うつ病に関する発病メカニズムははっきりと解明されていません。

現状としては、様々な仮説が提唱されている段階で、ストレスといった心的要因についてもそのひとつとなっています。
その症状も人によって様々な差があり、精神的な症状としては、意識が上の空になっていたり、集中力の低下、感情の麻痺するといった症状があります。

また、身体的な症状としては頭痛や睡眠障害、摂食障害があり、その他の症状としては人付き合いを避けたり、生活リズムが乱れたりすることもあります。

うつは比較的男性よりも女性に多いとされており、女性に多い理由には、女性ホルモンが関係していると言われていますが、新型うつには、このような典型的なうつ病の症状が見られないことが多くなっています。

一般的に典型的なうつ病の症状がみられないタイプのうつは、非定型うつと呼ばれており、新型うつのこの非定型うつの一種です。

しかし、より患者の「ワガママ」のように見られてしまうものが、新型うつと呼ばれています。

うつ病の症状としては、気分が憂うつで晴れない、何をするにも億劫、意欲がわかない、自分を責めるといった症状が典型的となっています。

しかし、新型うつ病には、従来型のうつ病とはまるで正反対とも思えるような、20代~30代前半に多い、職場や仕事ではうつ症状が現れるが、自分の好きな事や趣味には比較的活動的で、うつ症状は現れない、身体的不調(鉛様疲労感)をともなう、過眠、過食傾向がある、自分がうつ病であることや、うつ病で休職することに抵抗感が少ない、外罰的で、自責感が乏しい、難治性で、慢性化しやすいといった特徴があります。

一昔前までは、「定型」、「非定型」という言葉は存在すらしていませんでした。

そもそも、20世紀においては、昔から見られる「うつ病(定型うつ病)」が定番のうつ病であり、その当時にしてみれば現在の「非定型うつ病(新型うつ病)」に相当する病態は非常にまれであったため、それはうつ病ではないと認識されていました。

また、「定型うつ病」がいまでも本当のうつ病であると認識されがちで、一昔前までは、「定型」、「非定型」という言葉は存在すらしていませんでした。

それは、非定型うつ病のような新型うつ病が明らかにされておらず、うつ病が単一の疾患であるとみなされていたというのがその理由です。

ところが、21世紀になり新種のうつ病が登場し、うつ病が遺伝子の突然変異のように姿を変え、新種のうつ病全盛の時代を迎えつつありあります。

今後もさらなる急増が予測されており、現在、都心の診療内科のクリニックでは、30~50%の人が新型うつ病、あるいはその疑いのある人といわれています。

昔から見られる「うつ病(定型うつ病)」では、几帳面、生真面目、責任感が強くて仕事に熱心であり、秩序や規律正しさを重んじるなどの執着気質や、メランコリー親和型と呼ばれる性格の人たちが陥りやすくなっています。

「うつ病(定型うつ病)」では、好きなことをするときでも気分が落ち込み、意欲がわかないなどの抑うつ症状が、早朝から午前中にかけてあらわれるという傾向があります。

これに対して、「非定型うつ病(新型うつ病)」では、自分の好きなことをしているときは、何も症状があらわれませんが、嫌なことをしているときに抑うつ症状が激しくあらわれるようになります。

「非定型うつ病(新型うつ病)」は、見方を変えれば、自分の都合が悪いときなどに抑うつ症状が発生してしまうので、「わがまま病」のように取り扱われてしまうことがあります。

「非定型うつ病(新型うつ病)」では、突然に涙が溢れ出し、感情のコントロールができなくなり、周囲に助けを求めようとします。

しかし、周囲の人たちは、本当の苦しみを理解できないため、精神的苦悩は改善されるどころかますます悪化してしまい、悪循環を招くことさえあります。

近年、新型うつ病と言われるうつ病が増加している理由には、新しい診断基準の導入により、うつ病の概念が広がった、精神科への受診の抵抗感がうすれ、受診する患者数が増えた、テレビ番組やインターネットの発達でうつ病の情報が得やすくなった、というような理由が考えられます。

特にテレビ番組やインターネットの発達に関しては、従来型のうつ病の人は、症状である意欲減衰や億劫感などのため、積極的に情報媒体を見たりパソコンを操作したりするといった機会が極端に少なくなりがちでしたが、比較的な活動的な新型うつ病の人は、これらの情報メディアから積極的に該当する項目を探すことができます。

そのため、自分でうつ病だと判断できる可能性も高くなりますので、今後も引き続き新型うつ病の患者が増加する傾向が続くのではと思われます。
 

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