心療内科を受診し、産後うつと診断された姉。【体験談】
今から10年ほど前に私の義姉が里帰り出産をしました。
その時に産後うつ病になったので、その経験をご紹介します。
義姉は出産予定日の約2ヶ月前に、里帰りをして出産に備えていました。
初めての出産ですし、周りに出産経験のある友人や兄弟はいなかったので、育児書やネットの情報を頼りに育児について調べていたのです。
そして38週の健診の日。赤
ちゃんの心拍が落ちているということで、急遽帝王切開で出産をすることになりました。
義姉も予測していなかった事態で、ややパニックに。
また義姉の旦那さんになる人は、飛行機でしか来れない距離に住んでいるので、すぐに駆けつけることもできませんでした。
そのため義姉の頼りに出来る人のいない中、初めての出産となったのです。
産後は、子供が生まれたという喜びもありましたが、出産時の不安、また痛みがなかなか改善せず精神的に不安定だったのだと思います。
それでも入院中の経過はよく、出産から約10日後退院を迎え自宅に帰ってきたのです。
それから実家での育児が始まりました。
一通り育児についての情報は知っていたので、すぐに育児になれるかなと思いきや、義姉は日に日に疲れていく様子が見てわかりました。
そんな義姉の悩みは、赤ちゃんが寝ないということでした。
そのため、義姉も十分な睡眠がとれず食欲まで落ちる始末。また表情からは笑顔がなくなり、立ちあがると眩暈がすると横になることが多かったのです。
産後1ヶ月の床上げを過ぎた後でも。
そんな状況に心配した母が、産婦人科に連れて行きました。
そしてそこから紹介を受け、心療内科を受診し、産後うつと診断されたのです。
はじめは内服を開始し、それから臨床心理士とのカウンセリングなどを行いました。
内服はジェイゾロフトという抗うつ剤を開始したということ。
その薬のお陰もあってか、少しずつ気分の落ち込みが落ち着いた印象がありました。
また一番よかったのは、臨床心理士とのカウンセリングです。
私は義姉と一緒に自宅で話すことはありましたが、専門科でもありませんし、適切なアドバイスをしてあげることはできません。
またうつの人とどのように話をしていいのか分からないので、知らず知らずのうちに会話で傷つけていたことがあったかもしれません。
しかしクリニックという専門のところで、ゆっくりと時間をとって聞いてくれる臨床心理士とのカウンセリングは、義姉の不安や悩み、グチのはけ口ともなっていたし、それを肯定も否定もすることなくゆっくり話を聞いてくれたので、本当に楽になったと話をしていました。
結局義姉は、産後2ヶ月の里帰りの予定でしたが、帝王切開後であること、また産後うつで通院の必要があったという理由で、里帰りの期間をのばし、ある程度治療をしてから自分の家に帰りました。
産後うつになっていた時は、自分がそれほどひどい状況だったと 全く自覚できなかったと言います。でも周りから見たら、なんかおかしかったんですけどね。
また今考えると、もともと真面目、育児書などを参考にし過ぎる、物事を深く考えすぎるといった、義姉の性格上の要因も産後うつを引き起こすきっかけにはなったと思います。
身近にも起こりうる産後うつ。周りの人も注意をしていくべきだと思います。