抗うつ剤

うつ病は心の風邪だとよく言われます。とんでもありません。心のがんです。

場合によっては自殺などをしてしまう恐ろしい病気です。
風邪といわれることで、すぐ治るんでしょ?と軽く考えられてしまうのはつらいことです。

今回は私の実際うつ病の症状や原因、大変だったこと、治療内容、上手な付き合い方についてご紹介していきます。

私は10年前にはじめは不安神経症と診断され、その1年後にうつ病と診断され、現在も治療中です。

第1に症状についてご紹介します。
症状は、一番ひどいときは、倦怠感、希死念慮、強迫観念などです。

朝になると体が鉛のように重く、それなのに早く起きなければという焦燥感がありました。
「どうしよう、どうしよう、自分はだめな人間だ」という考えの堂々巡りでした。

またなぜか夜になるとそのような症状は軽くなりました。現在は治療の効果もあり、ほとんど症状はありません。

第2に原因です。一番大きな要因は過度な仕事であったと考えています。

当時新規プロジェクト立ち上げに抜擢され、自分のキャパシティ以上に励みすぎてしまったことだと、今になって思います。頼まれた仕事は一切断らず、完璧に仕上げるように努力していました。

しかし、いくらなんでも限度があります。

仕事はどんどん積みあがり、その溜まった仕事を片付けるため、夜中や休日まで働きました。
そのことが肉体的にも精神的にも大きなストレスとなっていきました。

これが原因で心身の不調が現われたのだと考えています。

第3に大変だった事をご紹介します。

少しの失敗でも怯えてしまうがゆえに、細かいことを確かめずにはいられなくなり、仕事の効率が大きく下がりました。
また家で休んでいても常に仕事のことばかりを考えており、精神的に全く休むことができなくなりました。

鉛のように重い体を鞭打って、無理やりに出勤し、駅で倒れてしまったこともあります。
そのときは周りの方に大きな迷惑をかけました。

第4に私が行った治療内容をご紹介します。

治療薬は抗うつ剤として「パキシル」、抗不安剤として「ソラナックス」、睡眠薬として「レンドルミン」を処方されました。
私の場合は太るなどの副作用はなく、服用することで波のように上下する心が平坦になりました。

病院を受診したのは周りの勧めによるものでした。
私自身は、「これは病気ではない。気合が足りないだけです」と言い張っていました。

しかし、実際に受診すると明らかに精神的な病気である、と診断されました。
最後にうつ病の上手な付き合い方について私なりの方法をご紹介します。

一番大事なことは、「自分はうつ病である」と認めることです。

認めることができれば治療に前向きに取り組むことができます。

そして、治療を行うにあたっては、主治医を信頼することが大事です。

薬を減らしたい、飲みたくないという気持ちがあれば、主治医に相談してどうしても薬を飲まなければいけないのか、そのほかに方法がないのかを自分が納得いくまで質問しましょう。
自己判断で勝手に薬をやめることは危険です。

急に薬をやめることで症状が大きく変化してしまうこともあります。

また、仕事においては、すべてに全力をかけるのではなく、6~7割の力でできるように自分をコントロールすることも重要です。
いつも全力は無理です。そんなことをしていたらいつか限界がきます。

細く長く続けるほうが、自分にも周りにも有益なのです。

私の体験が現在うつ病で苦しんでいる皆様のご参考になれば幸いです。

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