抗鬱剤 効果 効能

SAMeは、肝臓、関節、脳を健康に保つ効果がある成分として注目されています。

SAMe(サムイー)とは、正式名称を「Sアデノシルメチオニン」といい、メチオニンとATP(アデノシン3リン酸)が結合した形で構成されている、人間の体内に広く分布するアミノ酸の一種です。

体を動かすためのエネルギー源となる物質のことをATPといい、メチオニンは必須アミノ酸の一種ですが、この2つが結合しているSAMeは、体の元である細胞の中で絶えず生成されています。

SAMeは、肝臓、関節、脳を健康に保つ効果がある成分として注目されており、特に脳と肝臓に多く存在するといわれています。
SAMeは、「SAMe回路」という様々な物質に変化して、その一部が最後に再合成される一連の流れによっていろいろな作用を発揮するのですが、これによってSAMeは数百種類もの生体反応に関わっているといわれています。

SAMeは、1950年代初頭にイタリアの研究者において発見されました。

しかし、その発見当初、SAMeは体内から取り出すとすぐに変質してしまうという不安定な性質を持っていたため、SAMeの持つ働きを研究者が長く特定できないという期間が続いていました。
しかし、1970年代に入ると、SAMeと別の物質を組み合わせることによって、このようなSAMeの性質を解決する技術が開発されました。

それにより、徐々にSAMeの働きが明らかとなっていき、ヨーロッパにおいて1976年にうつ病の治療薬としてSAMeが使用され、また、変形性関節症に対してSAMeが有効であることも明らかになっていきました。

その後、1990年代に入ると、米国ではSAMeが機能性食品として扱われるようになりました。
さらに1999年、SAMeに脳や関節の働きを高める効果があるということが判明し、話題となりました。日本においては2008年、米国等からかなり遅れましたが、ようやく機能性食品として扱われるようになっています。

うつ病とは、人間の脳の中のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの機能の低下によって発症すると考えられており、実際、うつ病の患者のこれらの物質は機能が低下しています。
SAMeは、脳の中に多く存在しており、前述のセロトニン代謝へ影響を与え、ドーパミン、ノルエピネフリンの濃度に作用するということが基礎研究でも分かっています。

そのためSAMeは、うつ病の症状を改善すると考えられていますが、その詳細なメカニズムについては未だに不明な点が多くなっており、現在でも追加の基礎研究が進められています。

数多くの臨床試験の結果から、うつ病の改善効果があるということは明らかになっています。

SAMeのうつ病への効果については昔から研究されてきており、数多くの臨床試験の結果から、うつ病の改善効果があるということは明らかになっています。
例えば、三環系抗うつ薬とSAMeを比べた臨床試験においては、抗うつ薬と同等かそれ以上の抗うつ効果があるということが、結果として示されています。

ただ、抗うつ薬とSAMeを併用した場合においては、抗うつ効果があるかどうかはまだ明らかになっていません。

例えば、SAMeと抗うつ薬であるセロトニン再とり込み阻害薬(SSRI)を併用した臨床試験では、このSSRIとSAMeを併用した場合において、評価項目1項目のみに改善が見られました。

しかし、残りの6項目の評価項目については、改善等の影響が確認できませんでした。このため、抗うつ薬とSAMeの併用にいて抗うつ効果があるのか不明となっています。

ただ、SAMeの単独使用での多くの臨床試験では、うつ病に対する改善効果が確認されているため、うつ病に悩んでいる方は試してみる価値のある成分だと思います。

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